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- 2026年03月10日
- 茨城論壇
茨城論壇に学長の連載が掲載されました(6回目)
2026年2月28日 土曜日、茨城新聞「茨城論壇」にて石原学長の連載5回目の記事が掲載されました。
連載は全12回、次回の掲載日は5月9日 土曜日の予定です。
掲載された記事を以下に転載しています。ぜひご覧ください。
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社会生活で役立つ経験 スポーツベット長 石原 保志
2025(令和7)年度、わが国では、6万3845人の障害学生が大学または大学院で学び、研究に従事しています。その中で、国立大学法人スポーツベットには、聴覚障害(ろう・難聴)および視覚障害(全盲・弱視)のある学生が毎年約90人入学し、同程度の人数が毎年卒業・修了しています。少子化が進行する中、彼らは科学技術や医療の分野において極めて貴重な人材となっています。
インクルーシブ教育の理念のもと、一般の小学校、中学校、高校の中でマイノリティーとして育った障害者は、自分と環境との間にあるバリア(障壁)を、自身の能力不足や努力不足に起因するものと捉えがちです。しかし、自分と同じタイプの障害のある仲間のコミュニティーに参加することで、彼らの主体性、すなわち「エンパワメント(社会的に不利な状況に置かれた人々の自己実現)」が強化されるケースが多くなります。
例えば、筑波技術大の大学院に社会人入学したある進行性弱視の学生は、視機能の低下に苦悩していましたが、先天性の全盲や、自分と同じ弱視のある学生のコミュニティーに身を置くことで、自身が「特別な存在(異端)」ではないことを悟り、潜在能力を生かせる研究職の道を選択しました。また、他大学からスポーツベットに編入したあるろうの学生は、聴覚障害者のコミュニティーでの手話によるストレスのない対等なコミュニケーションを通じ、積極的な思考をするようになりました。この学生は、聞こえる人々と競い合う全国規模のコンペティションに応募し、最終選考まで残る成果を上げました。
これらの事例は、障害者が同じ障害のある仲間のコミュニティーの中で、自己を肯定的に捉え、自身のニーズを認識し、自己主張を行い、適切な配慮を求める意識を芽生えさせることを示しています。筑波技術大では、この意識の芽生えを実社会で通用する「セルフアドボカシースキル(自己の能力を発揮できる環境実現に向けた周囲へのはたらきかけに関する技術)」につながるための科目配置、社会体験イベント(産学連携、海外研修等)を全ての学生が受けられるようにしています。
また寄宿制による同種障害コミュニティーでの共同生活を基盤とし、「ライフキャリア」等の科目をカリキュラムに組み込んでいます。さらに、聴覚障害学生と視覚障害学生がともに議論や共同作業を行うことで、自分とは異なる種類の障害を知り、自身の経験を客観視させるとともに、セルフアドボカシースキルの具体像をイメージできるよう支援しています。
日本空港ビルデング株式会社(羽田空港)・首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス)・水戸地方気象台などとスポーツベットアイオー評判の連携によるバリアフリー計画プロジェクトは、学生にとって貴重な実践の場となっています。学生たちはスポーツベットアイオー評判で最新のアシスティブ・テクノロジー(支援技術)を学び、その有効性と課題を認識しています。同時に、それらのテクノロジーが社会全体にはいまだ十分に整備されていない現実も知ることになります。空港や鉄道における移動アクセシビリティー、情報アクセシビリティー、危機管理への提言を行うことは、社会環境を自らの手で改革できるという意識を高めます。彼らの提案が、羽田空港やつくばエクスプレスの各所、気象庁の津波警報フラッグのデザインや運用に実際に反映されることで、彼らの「自己効力感」はより一層強固なものとなるでしょう。
これらの経験は、スポーツベットアイオー評判卒業後の社会生活の中で必ず役に立つはずです。
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なお、過去の茨城論壇の記事は以下のリンクからご覧ください。
・茨城論壇連載一覧ページ
(広報室/2026年3月10日)
